プリンくんのご飯茶碗

プリンくんの鼻はすごく長いです。ぱっと見、15センチ以上あるように見えます。そして口もすごく大きいんです。

だから、普通の犬用の器だと、餌は鼻で外に押し出されてしまうんです。

水も同じ感じであふれ出されてしまいます。

それに、プリンくんの鼻の圧力によって、器自体がひっくり返り、器の中身がいつも空っぽの状態になってしまっています。それでは、プリンくんが飲みたいときに水を飲むことができません。

プリンくんの鼻にぴったり合う器が必要なんです。

むかし、こんな絵本を読みませんでしたか。いろんな種類の動物たちに、それぞれの体の特徴に合わせた、いろんな形の器があてがわれるとかなんとか。うろ覚えなので、はっきりとは詳しい本の内容までは、覚えていませんが。そんな絵本だったと思います。今になって初めて、その絵本のテーマに共感した次第なのです。

プリンくんに合う器を探したんですが、なかなか市販では良さそうなものが見つからなかったんです。

バケツだと背が高すぎますし、重量が軽すぎます。鼻がバケツの底に付いたとき、プリンくんの顔が全部バケツの中に入ってしまいます。周りを目視することができないですよね。また、軽すぎて、プリンくんの鼻の圧力に倒されてしまうかもしれないですし。却下です。

「なにかいいものないかなあ。」と、思っていた矢先。

ついに、見つかりました。ぴったりのものが。しかも身近に。

これだと、プリンくんの大きな鼻に押されてもひっくりかえることはありません。餌や水が外に押し出されることもありません。高さも申し分ありません。鼻を器の底に入れても、目といった鼻以外の顔の大半は、器の外に出ていますので、周りを目視して警戒することも可能なのです。

そのぴったりのものが何かと申しますと。

炊飯器のかま

ついに見つけたそれは、炊飯器のかまだったんです。

炊飯器のかまは、その強度・耐久性・形・大きさにおいて、プリンくんに最適な器だったのでした。

プリンくんがいつでも水を飲むことができるように、プリンくんの飲み水を、炊飯器のかまにいれて、おいておくことにしました。

追記

その数日後、悲しい出来事がおこりました。

炊飯器のかまの中で、すずめが羽根を広げた状態で浮いていました。

すずめは、かまのなかで息絶えていました。

きっと、どこからか飛んできた雀は、炊飯器の縁に止まり、水を飲むために顔を下に突き出したのでしょう。くちばしが水に届かなかったので、そのまま体ごと水の中に落ちて、溺れてしまったのでしょう。

炊飯器のかまは、すずめが水を飲むには深すぎました。